カテゴリ: 禁煙について

煙草とアルツハイマー

以前、煙草がアルツハイマー病の予防に有効という研究が発表されて一大センセーションを起こしたことがありました。愛煙家の管理するHPにはいまだに残っているのですが、その後の研究では煙草は逆にアルツハイマーに悪影響を与えるといった結果が主流になっています。さらに言えば煙草は動脈硬化も進行させますので脳血管性痴呆も多くなるとされています。現時点では煙草は体に良い影響はないと考えるしかないようですね。

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煙草はストレス解消に役立つ?

煙草を擁護する人たちの論拠の一つが「煙草がストレス解消になる」という説ですが、これは本当でしょうか。よく「仕事の後の一服で、それまでのストレスが嘘のように消える」という人がいますが、実際にはこの状態はニコチン依存症の一つの症状です。ニコチン依存は精神依存と、身体依存がありますが、仕事中にタバコが吸えない人たちが、イライラするのは実はニコチン切れのための精神依存によるストレスで、非喫煙者には感じないものです。早い話がニコチン切れで、イライラが最高の時にニコチンを摂取すると、イライラが取れる。もっとはっきり言うと麻薬・覚せい剤の中毒者と同じような状態なのです。そして、これが禁煙治療の、最大の難関といえるものです。ただはっきりいえるのは、「煙草がストレス解消に役立つ」のではなく、「煙草が作ったストレスが、喫煙で一時的に軽減する」というのが本当のところです。

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妊娠と煙草

喫煙が妊娠に悪影響を及ぼすのは常識になっています。具体的には、低体重児、流産、早産などがあり妊娠中の禁煙は必要でしょう。さらに煙草を吸っていると流産のリスクも高まるということです。将来に妊娠を考えている方は早めに禁煙にチャレンジしましょう。

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煙草とCOPD

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病名をご存知の方もいると思いますがこの病気の原因に煙草があげられます。煙草の煙に含まれる化学物質は気道の過敏性を亢進する上に、肺胞(肺の中にある呼吸に関係する小さな袋状の器官)を破壊するといわれています。この肺胞が破壊されることにより体内での酸素と二酸化炭素の交換が阻害され血液の酸素が不足します。また肺胞の破壊の結果徐々に肺の容量が増えますが、これは呼吸に無関係な死腔と呼ばれる空間が増えるのです。また気道の過敏性の亢進は一回吸った空気を吐きにくくさせるためレントゲン写真での見た目上肺は極端に膨張して見えます。また一秒間に吐き出せる空気の量は正常と比べかなり少なくなります。症状的に言うと咳・痰・喘鳴・労作時呼吸困難が出現します。昔「喘息」と年配の方が言っていた症状にそっくりですね。実際この「喘息」のなかにかなりCOPDが含まれると考えられます。さらに厄介なのはCOPDは治癒することなく(肺胞の破壊が本質ですから)進行するだけの疾患です。近年はさまざまな治療法が研究されていますが基本的には進行を遅くするしか治療法はありません。ただ早い時期から禁煙をすれば症状の進行は抑えられ健康な人に近い生活が送ることができるといわれています。

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高血圧+喫煙=脳卒中

前項では煙草と動脈硬化の関連について書きましたが、特に高血圧の患者さんは喫煙は問題です。高血圧自体が脳卒中や心筋梗塞の原因となる動脈硬化を進行させるのですが、喫煙によってさらに脳卒中、心筋梗塞のリスクは増加します。1995年のデータですが高血圧の患者さんを喫煙者、非喫煙者に分けたところ、脳卒中のリスクは喫煙者が非喫煙者の3.8倍あったという報告があります。禁煙したところ喫煙者のリスクは非喫煙者と同程度まで下がったということです。

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煙草は動脈硬化を進行させる

煙草を吸っているといわゆる悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加をし善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少する傾向が認められます。単純な言い方をすると悪玉コレステロールは血管の壁にコレステロールの塊をため込みやすくする作用があり逆に善玉コレステロールは血管の壁から取り除く作用があります。このため煙草を吸う方は動脈硬化が進行しやすく、前項に書いた心臓病のリスクの高まりや後に書く脳卒中のリスクの高まりに関与すると考えられています

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心筋梗塞と煙草

煙草と心臓の話もよく聞きます。煙草を吸っていると動脈硬化が進行しやすくなるといいます。動脈硬化とは全身性の疾患で目、腎臓、その他すべての血管(主に動脈)の壁の弾力性が失われ、結果として破れやすく、そして詰まりやすくなります。日本人を対象とした研究では非喫煙者に対して喫煙者は男性で3.64倍、女性で2.90倍の心筋梗塞へのリスクの増加があるという発表がされています。ただし禁煙をすればリスクは非喫煙者と同程度まで減るといったデータもあるようです。

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煙草と癌の話

まず有名どころとして必ず出てくるのが煙草と癌の関係。特に肺癌は煙草の害と切っても切れないと思われれます。さらに煙が直接触れる場所である喉頭(のどの入り口の気管側)や口腔・咽頭(食道の入り口)の癌は喫煙者では確率が跳ね上がるというデータがあります。さらには食道・胃・肝臓・膵臓・膀胱といった直接煙草の煙が触れないところでも増加の傾向があるとのことです。

対する擁護派であるが、これは統計のごまかしである。とか煙草以外の発癌因子が除去できていないといった論が目立ちますがどうも旗色が悪いようです。煙草の成分だけではがん細胞は活性化しないといった意見もあるようですが、たとえ他の因子が絡んだとしても煙草が癌の増加に何か関係があるのは間違いないでしょう。

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煙草ってそんなに体に悪いの?

近年は煙草が体に有害であることは、はっきりしていますが一方で、擁護論も根強いものがあります。医師免許を持ち、呼吸器科を標榜している身としては、煙草が有害であることに一片の疑問もありませんが、それにしてもヒステリックに「煙草はすべて悪である」と決めつけられるのでしょうか。

煙草の有害作用を、一つ一つを何回かに分けて、検証していってみたいと思います。

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