すこしでも動くと息切れがする。なんとなく心臓が早く打ってドキドキする。そうだ、ネットで見たパニック発作ってこんな感じだったっけ・・・。ということで心療内科を受診する方がたまにいますが、ちょっと待ってください。たしかに、パニック発作・パニック障害という症状はありますが検査を何もしないで、いきなり心療内科(あるいはメンタルクリニック)に受診すると、取り返しのつかないことになる可能性があります。内科にこんな症状の方が受診したら、まず貧血症状を疑います。貧血自体も運動時の息切れや、頻脈・動悸を主症状とし、加えて全身の倦怠感も出現しますが、診察の時、眼瞼結膜の色を見たり基本的な血液検査(貧血検査)で容易に診断することができます。そして貧血の陰には、消化管の出血や、血液の疾患などの生命にかかわる病気が隠れていることも、数多くあります。一つの症状だけで、一つの病気の診断ができることはほとんどありません。心療内科に受診するのは、一般的な検査を先にしてからでも、遅くはないのです。